サイディングの塗替えについて

塗替えに問題がない場合

  • サイディング基材と塗膜が良好である
  • 下地木材=胴縁、柱、間柱、筋かい、土台に腐り無い
  • 断熱材にスキマ、濡れが無い
  • 外壁や屋根、バルコニーからの雨漏りが無い
  • 正しい外壁通気構法で躯体に施工されている
  • 工場塗装の塗膜が、難付着塗装でない。

塗替えの注意事項

  • 壁への施工の確認を
    直張り工法:ハクリ・ふくれ・反りの可能性があります。
    塗料は水性1液で、明るい色(明度=70以上)がお勧めです。
    空気層工法:直張り工法の注意事項と同じです。
    外壁通気構法:サイディング専用の塗料であれば、何でもOKです。
  • サイディングの工場塗装の塗膜
    付着の悪いものがあるのか確認を。
    付着の悪い塗膜とは、
    光触媒塗装・無機系塗装・フッ素系塗装・ナノ親水塗装などです。
  • シール目地
    出来る限り上に塗装しないようにされた方が、
    塗膜の割れや浮き上がりを防止出来ます。 金具施工のサイディングの場合は、
    オート化学工業「オートンイクシード」を目地シールとして使う時は、
    大半の塗料をシール目地上から塗装しても問題が有りません。
    念のために、ご使用の塗料=メーカー名と塗料名を事前にご相談下さい。
  • 高圧洗浄基本的に禁止
    理由は、噴出ノズルを近づけると洗浄力が上がりますが柔らかいサイディングの表面を削り易いです。
    逆に50Cm以上離すと表面の汚れや劣化塗膜(チョーキング)などが取れません(写真)。
    また私が以前に勤務した、窯業系サイディング材トップメーカー(シェア50%)のニチハ(株)では、
    圧力を5Mpa(50Kg/㎠)以下の弱い圧力と規定しています。
    柔らかいサイディングの洗浄の基本は、優しい「手洗い」です。

窯業系サイディング材塗装に関する知識

窯業系サイディング材メーカーにより
原材料、セメントの反応系、製造方法、
テクスチャーの付け方、塗料、塗装方法が違いますし、
時系とともに変化してきましたので品種数は膨大になっています。

また大問題になりました
「石綿(アスベスト)」についてもかつては全商品に含有しており、
一部メーカーは2004年9月まで使用してきました。

また、石綿(アスベスト)を
代替繊維に切り替えた直後(1985年から5年間ほど)
1年間ほどは、品質が悪くなり不安定になっています。

その時に使用された窯業系サイディング材は
ちょうど塗替え時期になっていますので、要注意です。

また、窯業系サイディング材を
躯体へ施工する工法についても変化発展してきました。

特に直張りと通気構法に関しては
その知識がないと、塗替えや外装リフォームの時に必ず失敗します。

また、「直張り」「通気構法」の言葉を知らないと
消費者からも信頼されません。

(※結構消費者は通気構法を知っています)

副資材で最も重要な役目の「シーリング材」
(厳密にはコーキングとは言いません)も、
アクリル⇒ウレタン⇒変成シリコン(LMタイプ)
⇒高耐候シーリングと発展進化
してきました。

留め付けについても、最初は釘打ち施工でしたが、
受け金具施工が主流になってきました。

張り方も縦張りから横張りへ変化してきました。

 

躯体構造に関して、ワイド板(巾が910mm)の施工により
壁倍率(耐震性)が2.5となり、
筋交いと同等の耐力が担保出来ることになり、
耐震性向上の機能も併せ持つようになりました。

このように、窯業系サイディング材は塗膜の塗料と違い、
構造躯体の一部分であります。

従って、塗替えやリフォームの時は耐震性能の確認、
特に柱、間柱、土台など
構造体の状況(腐朽、破損、含水率など)も
診断できることが
施主様と長いお付き合いする上では不可欠となります。

平成初頭より、多色印刷や塗装技術の飛躍により、
どのようなデザインでも塗装することが可能となり、
約10年前からは長期保証の採用も始まり、
当初は基材の10年保証、
旭硝子が「フッ素塗料」を使い業界で初の
「塗膜10年保証」をスタート
いたしました。

現在では、ほとんどのメーカーが
塗膜10年保証・基材10年保証の対応をしています。

多色品サイディング材の塗装仕様は、
アクリル塗料による着色+UV吸収クリヤトップコート
(ウレタン、アクリルシリコン、フッ素、無機など)となっており、
将来のメンテナンスはトップクリヤの再塗装が中心です。

そのときの注意事項は、

  1. トップクリヤ塗膜の診断方法:従来のチョーキングテストは出来ません。
    弊社のノウハウ『30倍ライトスコープ』目視検査しかありません。
  2. トップクリヤの塗料種類によっては再塗装が出来ない:必要が無いものがあります。
    クボタ松下電工外装(以下KMEWケイミュウ)の
    セラ(無機塗装)及び、光セラ(無機+光触媒)と、
    5年前まで販売された
    ニチハの18mm厚みのエクセラード「ロマーノ」シリーズで
    こちらも無機塗装です。

また、施工に関する技能のレベルアップや伝承の為、
窯業系サイディング材施工士の国家資格制度もスタートしました。

また、各種窯業系サイディング材の性能試験や
窯業系サイディング材施工士、啓蒙活動と普及活動を
NPO法人住宅外装テクニカルセンターが行なっております。

最近では窯業系サイディング材のメンテナンスや
リフォームに関する情報提供も行なっています。

窯業系サイディング材の主要クレームは、凍害、シーリング目地の切れ、
窯業系サイディング材板材のクラック、反り、あばれなどです。

窯業系サイディング材の塗膜のメンテナンスに関しては、
窯業系サイディング材そのものの性質、特質、
欠点を把握していませんと、塗装後にクレームが必ず発生します。

しかも、メンテナンスの適齢期=10~15年ほど前のメーカー数は15社ほどもあり、
品種数は3千種類で、さまざまな塗料、塗装方法、
原材料が使われており、ある程度絞込みが必要です。

また、石綿(アスベスト)の含有に関する検査、通気構法か直張りか、
塗料の種類(無機塗装 4Fフッ素塗装品は、再塗装が基本的には出来ません)
シーリングの材料種類、凍害の確認など。
今までは、施主様も保証の有無や再塗装後数年以上経過した時には
クレームを言いませんでしたが、最近では当然のように、
品確法の影響で塗膜保証の要求や、引渡し後10年以内では
クレームを主張するようになりました。

従いまして、
地元密着の塗装、外装リフォーム業を行なう者は、
現状の ①塗膜 ②下地基材 ③石綿(アスベスト)
④躯体(通気構法)⑤耐震性能の調査診断
を科学的に漏れなくきちんと行ない、
写真付の塗膜、下地材、石綿(アスベスト)診断報告書を
作成提出する事が信頼される業者として評価されます。

また、よく聞かれる質問ですが、
塗替えか?窯業系サイディング材の取替えか?ですが、
上記の項目の診断の結果、窯業系サイディング材基材そのものが、
性能(防火:ヒビ割れが入っている場合は防火性能がありません・一次防水機能など)と
美匠を維持出来るのか?構造躯体として、柱、間柱、土台に腐朽があるのか?

特に直張りの場合、
10年以上経過物件ですと風呂場、台所周辺部では
ほとんど腐朽が始まっています。

これは、台所床の床下点検口より目視確認が出来ます。

ここまでの診断の結果、塗替えか、貼り替え
て、新築より15年~20年経過物件の再塗装は、
下地基材、構造躯体の診断が不可欠です。
そのポイントも記載します。
また、そのほかよく質問される事項に関しても記載します。
※重ね張りは基本的にお勧めしない方が良い。
なぜなら、耐震性能をかなり下げます。
よって、建築士など専門家の精密耐震診断の結果お墨付きが無い場合は、絶対禁止です。

ここ10年に建築された3階以下の住宅外壁材は約80%が、
窯業系サイディング材です。

低層住宅の塗装やリフォームをしようとする時には、
窯業系サイディング材を避けて通る事が出来ません。

  1. 窯業系サイディング材そのものを知る
    (メーカー 基材 塗料 塗装を時系列に)
  2. 外壁構造(直張り 通気構法 耐震性能)
  3. シーリング部位(シーリング材料 状況 ハットジョイナー)
  4. 副資材(土台水切 同質出隅 幕板 破風板 通気部材)

以上について、業者に診断書を作成していただき、
結果の判定と最終決定は施主様ですので、
業者には分かり易い判断材料を写真付で
ビジュアルに提案するノウハウとスキルが必要です。

当然、窯業系サイディング材のメンテナンス・塗替え・張替えの
ご相談に対応できる「知識・経験・資格」が必要です。

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