サイディングの張替えついて
張替えが必要な場合
- サイディング基材が寿命を迎えている
- 下地木材=胴縁、柱、間柱、筋かい、土台に腐りがある
- 断熱材にスキマ、濡れがある
- 外壁や屋根、バルコニールからの雨漏りがある
- 直張り工法や空気層工法で躯体に施工され、25年以上経過している
- 工場塗装の塗膜が、塗装出来ない塗膜である
- 釘打ち施工で30年以上経過の場合
1~2枚の剥がし検査も大変有効です。取り外すと下地木材の状態特に腐り、
雨漏りの様子、窯業系サイディング材の裏面の劣化:ぼそぼそや、断熱材の
スキマ、垂れも良く分かります
剥がし検査
断熱材のスキマ
張替えの注意事項
- 石綿が入っているかの事前検査(スクリーニング)
厚生労働省「石綿障害予防規則」 - 張替えの部位と範囲(何枚か?)の特定
- 全面張り替えの場合は、資材置き場と廃材置き場の確保
- 足場
窯業系サイディング材は幅が45cm長さが3m
重さは25Kgですので、昇降階段が必要です。 - 切断時は電動丸鋸を使いますので、音と粉塵が出ますので対策が必要です。
- 新規に張る窯業系サイディング材の選定のポイント
金具留め品、表面塗膜はUVカットクリヤー塗装、
メーカー保証基材:10年塗膜:10年または15年 - 一般に張替えが多い部位として
①バルコニーの内側と外側外壁 ②風呂場のサッシの下
③土台水切りの上 ④1階の屋根(下屋)
上の2階の窯業系サイディング材 ⑤切妻の軒天に接する部分です
バルコニー下外壁含水率50%
切妻部
風呂サッシの下
窯業系サイディング材張替えに関する知識
我が国に、窯業系サイディング材が
誕生したのは、昭和35年(1960年)です。
それから半世紀以上経過した現在、
戸建住宅および3階建て以下の集合住宅、
店舗、事務所、倉庫などの外壁として中心的な位置を占めてきました。
最近の低層新築住宅では、約8割の外壁に採用されており、
また今までのストックも1700万戸以上となり
その正しいメンテナンス(塗替え、張替え、シーリングの取替)
も必要となってきました。
最近の戸建住宅の外壁塗装でも、
窯業系サイディング材が半分を占めるようになり、
窯業系サイディング材の塗装においても、
正しい知識=材料の特性、
特に注意が必要な窯業系サイディング材と工法の理解=直張り工法、外壁通気構法、空気層工法、
診断も
- 窯業系サイディング材の塗膜
- 窯業系サイディング材の基材
- シーリング材、透湿防水紙
- 胴縁
- 下地の構造体(柱・間柱・土台)
- 断熱材でグラスウールは特に黒くなっている時はスキマが多く、
断熱性能が大幅に低い状態です
まで、もれなく実施する事が必要です。
私も、昭和52年より39年以上、
窯業系サイディング材と付き合ってきました。
最初ニチハ(株)(当時は日本ハードボード工業(株))、
その後旭硝子(株)、旭硝子外装建材(株)に勤務し、
窯業系サイディング材を使ったリフォームと、
窯業系サイディング材の塗装メンテナンスの支援、
窯業系サイディング材専用の塗料開発など歴任し、
(有)ニューライフ・アカデミーを2002年に設立し、
窯業系サイディング材を基軸として、大手ハウスメーカー、
塗料メーカー、ビルダー、工務店、
リフォーム会社、塗装会社の技術支援を行ってきました。
最近は消費者よりの
「窯業系サイディング材に関する様々な相談」を行い、
窯業系サイディング材の塗装、
メンテナンスセミナーの講師も行うなど
幅広い活動を行っています。
2008年より、280回以上開催の
「窯業サイディング塗替診断士講習会」は
大変好評で、受講者は1450名となりました。
2014年より「戸建住宅劣化診断士講習会」
「シロアリ防除・防腐・防虫技術者講習会」など、
既存住宅の長期優良住宅化の技術支援を行っております。
更に、1700万戸以上の住宅外壁に採用の
窯業系サイディング材の
完璧なメンテナンスのための技術の修得を目的に、
窯業サイディング塗替診断士の方限定にて、
塗装が出来ない=判定と、張替の正しい知識、正しい工程管理、
正しい施工までの知識と、技術を習得して頂きます。
窯業系サイディング材の専門家=窯業サイディングメンテナンス診断士の
技術認定を開催しております。
国土交通省は、今後新築住宅建設から、
820万戸の空家ストックの有効活用へシフトします。
その観点からも、住宅の耐久性に最も大切な外壁、
屋根の定期検査と定期メンテナンスは重要になり、
その担い手の技術者の技術レベルの向上も大切です。