【2月12日のご相談】
築20年の某住宅メーカーのサイディング外壁の状態について相談させてください。
■H様 茨城県
□不具合=外壁の割れ 出隅コーナーの開き シール目地の切れ
□築年数 20年 10年前に塗装実施済み
<以下相談内容>
築20年の某工務店のサイディング外壁の状態について相談させてください。10年前に油性塗料で全塗装しておりますが その時からサイディングの反りが目立ち、またコーキングも割れておりすべて打ち直しております。また、10年前はコーキング近傍のサイディング部は黒っぽく変色もしておりました。先日住宅メーカーの20年目点検でサイディング材の状態を確認してもらいましたが、隅角部に割れが複数個所あり、また細かい割れは15か所ほどもあり、見た目にも良い状態ではありません。10年前に打ち換えたコーキングも表面に立て割れが走り、サイディングから剥離している箇所もいくつかあります。その後 工務店にて一階部分の含水率測定を行ってもらったところ 東西北面サイディングに20%を超える箇所があるとのことで、工務店からはサイディングの部分張替えと残り箇所は塗装を薦められております。が 更に10年後には残りの箇所も張替えが必要となる心配があるのであれば 今回全張替えとすべきなのか悩んでいます(費用的には厳しいですが)。同時期に建てた周りの住宅(他メーカー製)にはサイディングに反りも割れもほとんどないのに我が家のサイディングの状態だけが悪いことの原因が分からないまま張り替えてもまたおかしなことにならないかも心配です。
部分張替えと塗装で良いものか、あるいは今回全面張替えとすべきなのか、またサイディング不良の想定される原因があれば教えてください。
なお、サイディングは旭硝子の12㎜厚のものを釘で固定したものです。
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Dr、サイディング(サイディング博士) のお答え
1,10年前に油性塗料で全塗装しておりますが その時からサイディングの反りが目立ち、
Ans:窯業サイディングの塗替え時の塗料は「外壁通気構法」の場合油性(弱溶剤)でも
問題は起こりませんが、今回はたぶん「直張り工法」「空気層工法」ではないかと
思います。(添付資料ご覧ください)
なお、サイディングは旭硝子の12㎜厚のものを釘で固定したものです。
Ans:私は当時旭硝子に勤務していました。この窯業サイディングは通常反る事は有りません。
従いまして、油性塗料の塗装が原因となった可能性が有ります。
反りのメカニズム=新築時からの窯業サイディングは表面と裏面の吸保湿の割合は同じで
バランスが取れています。そこへ表面に油性塗料(湿気・呼吸を止めます)の塗装により
バランスが崩れて、裏面は伸び、表面が収縮して反り(凹反り=へこみ)となりました。
従いましてこの反りを直すことは出来ませんが、つや消し塗料(水性)を塗る事で目だななくする事は出来ます。
2,またコーキングも割れておりすべて打ち直しております。また、10年前はコーキング近傍のサイディング部は黒っぽく変色もしておりました。10年前に打ち換えたコーキングも表面に立て割れが走り、サイディングから剥離している箇所もいくつかあります。
Ans:10年前の打ち替え以降割れ、窯業サイディングからはがれる原因は、窯業サイディングの
収縮と収縮へ追従出来ないシーリング材の材質、施工(窯業サイディング小口乾燥不足、プライマー塗布不足など)
が想定されます。
3,隅角部に割れが複数個所あり、また細かい割れは15か所ほどもあり、見た目にも良い状態ではありません。
Ans:角(同質コーナー)の開き=接着剤がウレタン系ですので、紫外線劣化が原因で開いたと
思います。細かな割れ=窯業サイディング基板の伸縮(雨水、裏面の湿気)が原因の
割れと思います。一般に窯業サイディングは吸水により、0、1~0.15%
の伸びがでて、乾燥後に元の寸法に戻ります。また2酸化炭素の吸収によりわずかに
収縮します。従いまして微細な割れは、だんだんと大きく成長します。
4,住宅メーカーにて一階部分の含水率測定を行ってもらったところ 東西北面サイディングに20%を超える箇所があるとのことで、
Ans:一般に外壁の窯業系サイディング材の水分は、日当たりの良い西面 南面は低くなり、
北面が高くなる傾向です。
5,メーカーからはサイディングの部分張替えと残り箇所は塗装を薦められております。が 更に10年後には残りの箇所も張替えが必要となる心配があるのであれば 今回全張替えとすべきなのか悩んでいます(費用的には厳しいですが)。同時期に建てた周りの住宅(他メーカー製)にはサイディングに反りも割れもほとんどないのに我が家のサイディングの状態だけが悪いことの原因が分からないまま張り替えてもまたおかしなことにならないかも心配です。
Ans:まずは、窯業サイディングの壁への留付け工法=直張り工法・空気層・外壁通気構法の検査が必要です。
・次に国土交通省基準の劣化検査=1次インスペクション(添付します)
を行います。
特に床下 天井裏の検査が重要です。
※今回までの不具合の根本的な原因を究明しないまま、業者(元請け=保証も切れているので
塗装&リフォームを金儲けとしてとらえる事が多いや知識のない塗装・リフォーム業者)に振り回されることは将来、残念な結果となります。
その検査結果+10年前の塗装工事の詳細(見積書など)を勘案して、お施主様のご意向を踏まえて、リフォーム方針を決めてただく事が正しい方向ですね。
【窯業系サイディング材メンテナンス技術研究所=地区相談所】
お近くの株式会社シャイン様へ
現場調査をして頂く事をお勧めします。
株式会社シャイン様
ホームページhttps://shine-paint.com/
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宜しくお願い申し上げます。
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窯業系サイディング材メンテナンス技術研究所
外壁の張替え専門店=チェーンがスタートしました
所長 古畑秀幸 携帯電話 090-6190-4435
運営 一般社団法人木造住宅塗装リフォーム協会
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